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エッセイ

お陰様(おかげさま)の由来:あなたにとっての邪魔が、誰かの役にたつことも・・・

毎日嫌なことが続く・・・と思っている方が、少しでも前向きになれるようなエッセイだと思います。

 

今回はポイントとなる単語が沢山あります。

「walk down」「rustle」「lone」「pertain to」「hindrance」「trip」

興味のある単語があれば、是非ご参考になさってくださいね。

Title: Japanese Word “Okagesama” (giving shade), A Japanese Way of Saying “Thank you”

 

In Japanese, we have many ways to say thank you but one of the most interesting is the words “Okagede” (thanks to…) which is used casually or “Okagesama” (thank you) which is used in more formal settings. Why do you think it’s interesting? Well, let me tell you a story about it.

日本語で、「ありがとう」を伝える言い方はいろいろあります。その中の一つに、会話でよく言うのが「(~の)おかげで~」で、形式ばった言い方になると「お陰様(おかげさま)」で、(なぜ「陰」が関係するのか)考えてみると、面白いですね。今回はこの「お蔭様」について少し話させてください。

 

Imagine you’re walking down the streets of Tokyo on a sunny August morning and though it has only been 30 minutes since you left your apartment you are feeling incredibly tired and hot. 

蒸し暑い夏の朝、東京のとある道を歩いているのを想像してみてください。家を出てからまだ30分しか経っていないころなのに、もの凄く疲れて、ひりひりと暑くて・・・

 

Your mouth is starting to dry, it’s becoming difficult to breathe and you can’t find any shade, so you continue to walk. All of a sudden, you hear the rustling of leaves and in the middle of the street you see a lone tree standing. So you rush towards the oasis of cool brought by the shade of the tree.

だんだんと喉が渇きはじめ、息も苦しいほどになって、まわりを見渡しても陰さえ見当たらず、そのまま歩き続けた時、突然どこからともなく葉がカサカサと鳴る音が聞こえたと思ったら、道路にぽつんと立っている木が見え、木の陰で涼めるオアシスに向かって走り出すような・・・

 

After a few moments under the protection of the tree, you gaze up at it with so much gratitude in your heart. 

しばらく木の下で涼んだ後、心の底から「助かったよ、ありがとう」という思いで、その木を見上げるのではないでしょうか。

 

You might have felt that it was sent to you from the heavens. But, of course not, it wasn’t just for you but you still thank it for what it has provided.

もっと言うと、「神様が私のためにそこに木を置いてくれたかも!」とまで思いそうですね。もちろん、あなたのためだけに存在する木ではなく、もともと普通に自然にあった木なのですが・・・

 

There are various stories that pertain to the origin of the word “Okagede” but this story, “under the shade” and “thanks to. . .” is my favorite.

「~のおかげで」や「おかげさま」の元となる由来や背景はいろいろあるかと思いますが、「陰の下」が「ありがたい=ありがとう」に繋がる考えが良いと思います。

 

The concept of appreciation is a topic that we barely talk about in our daily lives. I guess we just take many things for granted since they are normally around us, like the tree in the scenario I just presented. But, if you carefully and closely observe things around, you will notice there are many things that can help us navigate this life. Everything and everyone around us are a resource to be thankful for. Thus, I believe we must start appreciating everything and everyone we encounter.

普段あまり「何かに感謝する」ことについて話したりしないものです。まわりにある物も「あたりまえ」にあると思いがちですしね。でも1つ1つよく見てみると、私たちの生活を助けてくれているものばかりです。たまたままわりにある物や、まわりにいる人に感謝すべきことが沢山あります。

 

I’m not saying that everything in life is going to positively help because remember, we are not alone in this world. At times our comfort might be a source of discomfort for others.

もちろん、すべての物や人が、役に立っているとか助けてくれる存在かといえば、そうではないですね。自分にとって「快適だわー」とか「心地いいわー」と思っていることが、他人にとっては「不快だー」「あー、煩わしい」と思うことだって、あります。その反対もしかりですね。(※例えば、たばことか・・・喫煙者さん、ごめんなさい)

 

A stone or hole in the street might be a shelter for an insect. The stone or hole may be beneficial for an insect but could hinderance for people since it could be an obstacle that causes someone to fall or trip.

道に転がっている石、小さな穴なんていうのも、人間にとってはつまずいたり、転んだりする原因となるので、「邪魔なもの」ですが、小さな虫にとっては隠れ蓑になることもあり、虫には役に立つものかもしれませんね。

 

So most everything has a good and bad side. 

ですから、すべての物には良い面も悪い面もあるということですね。

 

It’s all about perspective. Let’s agree to always try to widen our perspective of situations. Viewing situations through a different lens can make our experience here on earth richer. 

すべて「どう感じるか」によると思います。ですから、ちょっと感覚を広げ、視野を広げてみませんか?違う目で見てみると、あらたに気づくこともあり、経験が豊かになりますよ。

 

By changing our attitude and perspective from a negative point of view and not staying in an angry state of mind towards things that don’t go our way, we will have a more positive life.

「腹立つ」とか「嫌だ」というマイナスな感情がある時は、この「お陰様」の由来(普通に存在するものでも、助けてくれることがある)や、「目障りな石でも、小さな虫にとっては大事なシェルター」ということで自分には邪魔なものや人でも誰かにとっては大事なんて思うようにしてみると、あなたの人生や生活が、今よりも潤うと思いますので、是非やってみてください。

 

~単語~

イディオム「walk down」「walk up」について

 

坂を下ったり、上がったりするのではなく、フラットな道を歩く場合、下記4つは同じ意味で使われます。

【意味】「通りを歩く」、「~まで歩く」

・Walk down this street.

・Walk up this street.

・Walk this street.

・Walk on this streetは

【コメント】downやupがついていても、平らな道で坂を下るなどの高低差がない場合、upでもdownでも「通りを歩く」という意味です。

 

もちろん、使い分ける意味もあります。

(1)「up」には話し手に近づく意味(= towards the speaker)があります。

Ex: She walked up to me with a present.

彼女はプレゼントを持って(歩いて)私に近づいた。

 

「up」(近づく)の反対、遠のくは、実は「down」ではなく、”I walked away from her.”と言います。

 

(2)坂を上がる、下るという位置が明らかな場合、

Ex; I walk up the steep road to go to work. 

(私はこの坂道を歩いて上がって出勤します)

 

Ex: I walk down the street to go to work.

(私はこの道を歩いて下って出勤します)

・rustle【rʌ́sl】自動詞:葉がカサカサ鳴る

rustleの基本的な意味は、

・more than one thing together: 葉っぱや書類のように「1つ」ではなく「複数」が原則で、且つ「一緒に、まとめて」

・moving fast and making noise: 素早く動いで、且つカサカサのように「音が鳴る」こと

 

この2つを踏まえて、

何枚もの葉っぱが、サラサラ、カサカサ、ぶつかりあって風で揺れているイメージから、「葉がカサカサ鳴る」という意味で使われます。

葉っぱからすると、勢いよく揺れている、動きが速い感じですね。

 

「速く動く」+「音を立てる」=rustle ということなんです

※rush to do somethingと似てます

 

ここから、人間が速い動作で、音を出しながら何かする動作に対しても言えるようになったようです。

よく使うのは”rustle up” “rustle through”のようなイディオムです。

◆rustle up=cook quickly

もともとの意味は、「素早くかき集める」、そこから、「素早く食べ物をかき集める」ということから、素早く料理するという意味で使われるようです。

例:Let me go rustle up something to eat before my next meeting.

(次の会議の前に、急いで食事の用意をさせてください)

 

◆rustle through=look for something quickly

大量にある紙から、目的の資料を探すとか、洋服ダンスから目的の服を探すとか、複数ある物の中から、何かを急いで探す意味です。

例:They are rustling through some papers.

(彼らは書類をゴソゴソ探しています)

 

ところで”They are rustling some papers”と言うと、「複数の紙をガサガサさせている」つまり、(くしゃくしゃとかガサガサとか)紙で遊んでいるとか、カサカサと音を出しながら何か作業をしているイメージになります。

 

もう一つ別の意味があり、「牛・馬などを盗む」という意味でも使われるようです。

馬、牛、羊でも「家畜」に限定されるようですが、大昔農場から大量の牛泥棒や、羊泥棒がいたことが由来かもしれません。1匹ではなく、「何頭も盗む(more than one thing together)」と、ささっと盗んで、でも家畜が騒いだりするので静かにはいかないですね、音がなりますので、move fast and make noiseという状況から、この意味も使われるようになったのではないでしょうか。

 

・loneについて

古い言い方のようですが、周りに誰もいない[何もない]、唯一の、一つだけの、といった意味で使われ、

日常会話やビジネス会話ではなく、「詩」で使われがちです。

 

もう一つ、題名とかタイトルに使われる表現のようです。

例)The lone wolf. 一匹狼

例)The lone ranger. 孤独な部隊

・gaze up at~(=gaze up~):(しばらくの間)~を見上げる

 ※look up at~と似た意味ですが、gaze up atの方が「しばらく見る」という時間の長さがあります

・pertain toについて:

「~に関係して」「~について」という意味で使われ、“about(~について)”のフォーマルな形です。

似た言葉には、“concerning”、 “related to / relating to”があります。

 

“pertain to”は非常にフォーマルで、日常会話ではあまり使われません。

Ex: This is a matter pertaining to the Government.

(これは政府に関する件です)

 

“Concerning”は日常会話でも使うことができますが、“related to / relating to”に比べるとやや固い表現です。

Ex: We have a matter concerning his grades.

(あなたの息子さんの成績について、お話があります)

 

“Relating to, related to” はもっと幅広く、日常会話でも使われます。カジュアルにも使えます。

Ex: I got a letter from my mother relating to our wedding.”

(私たちの結婚式について、お母さんから手紙が届いたの)

 

・hindranceについて:

「邪魔なもの」「障害」は英語で「obstacle」、「hindrance」、「barriers」などがありますが、ニュアンスが微妙に違います。

 

obstacle – 目の前にある邪魔なもの、進むのを阻まれるような大きな石のような障害で、それを乗り越えないと前に進めないイメージ

Ex: There were many obstacles in my way. (人生、多々障害がありました)

Ex: Me and my partner have to overcome many obstacles to be together.

(共に生きていくためには、夫婦は多くの障害を乗り越えないといけない)

 

hindrance – 背後から引っ張って引き留めるようなイメージで、前に進むのを邪魔する障害を意味し、例えば「交通機関の遅延」「過去の恋愛を引きずって、前に進めない状況」を想像すると分かりやすいでしょうか。

Ex: The recent bus delays in my city are a major hindrance.

(私の住む町では、最近バスの遅延が主な障害になっています)

Ex: My bad feelings about my past relationship are sometimes a hindrance to my happiness

(私の嫌な過去が、幸せな日々の邪魔になります)

 

Barrier – 精神的に感じる障害で、通せんぼされたり、壁があり、立ち止まるイメージです。

例えば、規則で禁じられているから出来ないとか、上司の決断により出来ないという状況でしょうか。

Ex: He was a barrier to me doing my job.

(仕事上、彼が私にとっての障害です)

Ex: He asked me to stop, it was a barrier to my journey.

(彼に呼び止められ、それが私のお出かけの障害になりました)

 

・tripについて

よく、旅行の意味で使われますが、他の意味もあり、その一つが「つまずいて転ぶ意味(名詞)」です。

このエッセイではこの「つまずき」の意味で使っています。

 

もう一つ、海外の映画を見ているとよく聞くこともあるかもしれませんが、麻薬などで幻覚体験をすることも「トリップ」って言いますね。これは普段使う言葉ではないので、映画鑑賞(ヒヤリング)を楽しむだけにとどめておきましょうか。

 

それよりも、面白い言い方があるので、下記2つをご紹介しますね。

(1)動詞「つまずく」という意味に似た表現でカジュアルな言い方で「ミスをする」「間違いを犯す」とも言います。

・I tripped up =I made a mistake.

(ミスっちゃったよー)

・I tripped over my words=I said the wrong thing. ※これは”trip up my words”とは言わず、”trip over my words”がイディオムです。

(あー、言い方を間違えた)

 

(2)変わった映画や、変なTV番組、変わったイベントなどを言う時、“That was a trip!”ともいうようです。